文化による違いというのは、習慣や生活の様々なところに出てきますが、特にコミュニケーションの取り方の違いに大きく表れると思います。私は仕事上、世界中の様々な人種の人たちと一緒に時間を過ごす機会を得られましたが、国や地域によってこんなにもコミュニケーションの仕方が違うのかと驚かされることばかりでした。そして、全体として感じるのは、日本人のコミュニケーション方法というのは世界の中ではかなり特殊なんだなということです。もちろん、それぞれの文化の特性ですので、コミュニケーション方法が違うからといって、それが良い悪いということではありません。しかし、違う文化から学べることも多いと感じることは多いものです。
たとえば、多くの国ではイエスとノーをはっきりしないとコミュニケーションが成り立たないということです。ごく日常的なことで言えば、食べ物の好き嫌いなどがそうで、こちらが出された料理をあいまいな態度で評価すると、はっきりと「おいしくないか?好きじゃないのか?」と聞いてくることがよくあります。そして、内心好きじゃないと思っても、せっかく出してくれたのだから、とお世辞で「おいしいですよ」と言うと、次回誘ってくれた時も同じ料理が続くという悲劇が生じることもあります。こっちの言うことをストレートに取って、好きなものをまた出してあげようという思いでしてくれるのです。
はっきりとイエス、ノーという文化があるところでは、それに慣れていますので、ひどい言い方をしない限りは、むしろはっきりと好き嫌いを言ってくれた方がありがたいと思っている感じがかなり強くあります。自分が言うということは、相手から言われることも普通だと思っていますので、そのような習慣のところに行ったら白黒はっきり言うのが、むしろ礼儀なのかもしれないのかなと思います。
また、ボディランゲージと表情が非常に豊かなのも、外国人に共通するコミュニケーションの取り方だと思います。言葉だけでなく、顔や手も表現の手段として用いているということで、より相手の感情や考えが伝わってきます。これは、個人的にも学べるところだなと思っています。特に表情が豊かな人というのは生き生きしていて、魅力的な印象があります。外国で長いこと過ごして日本に帰ると、普段会う人の表情のなさにびっくりしてしまうこともありますので、個人的にもうちょっと表情が豊かであってもいいかなと思うことがあります。
★まずは「違い」を認識すること/外国人との会話で友達になれる異文化コミュニケーションのコツ7つ