「間」の大切さ

お笑いや落語の世界では、独特の間というものがとても大事にされていますが、これは普段の会話やビジネス上のプレゼンをする時にも生かせるテクニックだと思います。「間」と言うとなんとなく感覚的な難しい話に聞こえますが、「休止」と言い換えると分かりやすいかと思います。大事なポイントで上手に適切な休止を置くことで、話が一気に分かりやすくなりますし、相手の心に響きやすくなるということです。

休止を置くタイミングにはいろいろな要素がありますが、まずは文のつなぎ目が基本となります。書いた文章で言うと「。」や「、」の部分でそれぞれ短い休止を置くということです。矢継ぎ早にしゃべり、話すのが早くて疲れると思われる人も、実はあまり言葉の出し方が速いというわけではないのです。それ以上に、この「。」と「、」のところで休止を置かないために、早く聞こえてしまうことの方が多いのです。文の中や文と文の間に休止がないと、脳が言葉を処理しきれずに遅れてしまうので、早過ぎると感じて疲れてしまうのです。

考えが変わるところでも休止を置くようにしましょう。この場合私は、句読点の休止よりもちょっと長めに置くようにしています。できるだけ、「さて、」とか「次に、」などの接続語を入れて、休止を長く置くとより効果的になり、相手の考えが変わるということを意識できます。すると、今までの話をいったん頭の中で整理する余裕が生まれますので、全体的な話のつながりを理解しやすくなります。

そして、さらに大事な休止のポイントは、強調したい点を話す直前です。話のミソとも言えるワードに差しかかったら、息を止めてかなり長めの休止を置きます。ちょっとやり過ぎと自分で思えるくらいでもいいと思います。下を向いている相手が、「なんだ?」を思って顔を上げた瞬間にその重要ワードをちょっとボリュームを上げて話すと、かなり劇的な効果を生むことができます。そして、その文を言い終えた時も、ちょっと長めの休止を置くようにすると、文ごとのメリハリをつけられて強調が一層際立つことになります。

もう一つの休止の使い方で効果的なのは、質問という形で問題を提起して、その直後に休止を長めに置くやり方だと思います。相手に答えを期待するわけではなく、相手に考えさせるため、もしくは関心を引き付けるためだけの質問をして、休止を置くという話し方をすると、相手が脳を使って話を聞いてくれるようになりますので、より心に響きますし、納得してくれやすくなります。

★話し方にもコツがある/間の良いプレゼンのコツ

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