相手の感情や心の中を推察して話をすることの重要性

相手を無理やり説得することだけがコミュニケーションではありません。たまにビジネスの場で、自分たちの要望を相手のことを考えずに押し付けたり、いかにも交渉で強く言ったりした方が勝ちだという意識を持っている人がいます。しかし、その場では自分たちに有利な形になるかもしれませんが、長期的に見るとお互いの関係が悪くなり、良くない影響をもたらすケースが少なくないのです。もちろん、自分の意見や要望をしっかりと伝えることは大事ですが、相手の感情や心の中を見た上で、上手にそれを相手に理解してもらうという意識が大事と言えると思います。

そのためにできることとしては、一気に自分の意見ばかりをしゃべり過ぎないというのが第一にできることだと思います。話したい内容は、前置き、背景の説明、要望が生じた理由、要望の具体的な内容、それによって生じるメリット、問題があった時の対処法などに分けておき、順番に話すようにします。そして、それぞれのパートについての説明を終えた段階で、ちょっと休止を置くようにして相手の反応を見ます。もし、相手が強い疑問を持っているようであれば、その休止の間に相手からコメントが入ることと思います。相手方からのコメントがなくても、こちらから「ここまではいかがでしたか?この説明でここまでご理解いただけたでしょうか?」と軽く質問をすることもできます。そして、その次のパートについての話を始めます。

また、意外と大事なのが、相手の表情や目を見ながら話すということです。まず、視覚的な接触を取りつつ話すことによって、自分の話していることに自信があるということを示せます。自信のない人は相手と目を合わせることができず、下を向いてばかりいますのが、その逆を意識して行うようにするということです。そして、相手を見ることによって反応を計ることも可能になります。たとえば私は、話している段階で、相手がちょっと困惑したような顔をしたら、いったんそこで説明を置いて、もう一度分かりやすく言葉を変えて説明をするようにしています。

また、難しい顔をした場合は、納得していなかったり疑問を持っていたりする可能性が高いので、やはり休止を置いて「何かご質問がありますか?」などと言って相手の意見を聞くようにします。ちょっと面倒のように見えますが、その場で相手の感情を察知してすぐに解決した方が、相手を納得させられる可能性が高くなります。

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